光コヒーレンストモグラフィ(OCT:Optical Coherence Tomography)の産業用途についてまとめました。OCTって何?10月のこと??という方はこちらをご覧下さい。
光コヒーレンストモグラフィ(OCT)の概要

■産業用途で何を測定するか
・コーティング層の表面の厚みの測定
・材質の表面と厚みの測定
・表面の粗さの測定

■OCTの特徴
・非接触、非侵襲
・透明、不透明、強散乱性媒質にも有効
・高速
・検査中の部品に近づける
・プローブで撮像できる

■考えられる産業用途
・セラミック (シリコン製のMEMS)
・ガラス (ガラス繊維複合体)
・光学部品
・ポリマ
・繊維複合体
・紙(木材)
・真珠
・薄板上の仕上げ材
・ピルのコーティング
・カーバッテリケースの欠陥検査(日本の自動車メーカーが実際に行っている)

以下、LaserFocusWorldより、非生物用途に用いたOCTの画像

OCT MEMS

OCT MEMS


LaserFocusWorldより、MEMSの3Dイメージ
OCT can image through the membrane on the surface of a MEMS pressure sensor (visible at top left) to produce a series of horizontal sections that reveal details of the internal cavity. (Courtesy of National Physical Laboratory)

OCT pearl

OCT pearl


LaserFocusWorldより、真珠の真珠層の測定
OCT makes clearly visible the boundary between a pearl’s nacre and its interior, as well as the layers within. The thickness and quality of the nacre is a key indication of pearl quality. (Courtesy of Michelson Diagnostics)

産業用OCTが成功するためには?

・材質に合った適切な波長を選択するべし⇒解像度、深度が決まる
・光源のパワーを上げるべし⇒コントラストUP
・光源の掃引速度(SS-OCTの場合)⇒高速化
・CCDまたはCMOSの性能向上、光学系の設計⇒画質の向上
・演算能力の向上⇒高速化

画像化装置を非破壊検査、非破壊評価装置としてラインに組み込むために重要なのが、画像化の速度です。画像化が高速になれば、サンプリング検査ではなく全検査によって、不良品だと判断されたものを確実に排除することができます。この点はOCTが優れています。なぜなら、OCTは医学応用として開発されてきており、その過程でモーションアーチファクトを取り除くため、常に高速化が試みられてきたからです。

愛知県のsantecという会社のOCT用の光源(swept-source)は50kHzの波長走査が可能で(1秒間に5万回)、この製品は12/9に中日新聞社賞を受賞しています。
参考:中日産業技術賞 中日新聞社賞を受賞

また、アメリカのAxsun Technologies, Inc.(アンサクソン・テクノロジース)はハイデフィニション・スウェプト・ソース(High Definition Swept Source、HDSS=商標)と呼ばれる商品で200kHzの走査テストに成功しました。
prnphotos087788
参考:画期的な総合光源アーキテクチャー、アクサンがテスト成功

アメリカのThorlabは

しかし、どちらの商品も医療用途として開発されています。これらを産業用途に簡単に応用することはできず、実際に産業用途に用いるためには、ラインに組み込めるように装置を開発する必要があります。

既にアメリカのソーラボ社(Thorlabs)やイギリスのマイケルソン・ダイアグノスティクス社(MDL)は本格的な産業用OCTの開発に取り掛かっており、テストをしています。