
JSTは産学連携事業の一環として、東京工業大学大学院の渡辺教授らと、自然な色彩を表現するための液晶レーザーの開発において、従来の20分の1のエネルギーでのレーザー発振に成功したと発表した。これまでにレーザー色素は多数開発されているが、ほとんどが溶液中で用いる色素レーザー用であり、液晶レーザーに適した色素に関する探索はほとんど行われていなかった。本研究グループでは、発光色素を系統的に合成し、そのレーザー発振特性を比較検討することにより、発光色素の持つ量子収率、蛍光寿命、吸光度、液晶中での配向性などの因子と低閾値化の関係を明らかにし、発光色素の設計指針を作りった。
有機材料の液晶レーザーは、自然な色彩を表現できるだけでなく、無機化合物注の半導体レーザーとは異なり、優れた加工性、波長可変、超小型化が可能などのポテンシャルがあり、フレキシブルな面発光レーザーデバイスを容易に作製できる可能性を秘めている。
カナブンに学ぶ

カナブンの金属光沢は、光学波長程度(可視光の波長である400~800nm程度)の周期を持ったらせん構造のコレステリック液晶という場が作り出しています。すなわち、らせん周期構造のコレステリック液晶による光の選択反射に起因しています。カナブンに学んで、光学波長程度の周期を持つコレステリックらせん構造の液晶中に、発光色素を導入し、レーザー発光させると、その発光波長域に選択反射が重なっている場合は、光の閉じ込めとそれによる増幅が起こって反射帯のエッジでレーザー(分布帰還型レーザー)発振します。そして、3原色の液晶レーザーを用いたディスプレイでは自然な色彩を表現できる可能性を持っています。
本開発成果は、2010年5月26日(水)から28日(金)までパシフィコ横浜にて開催される「第59回高分子学会年次大会」で発表される予定。
参考:JSTプレスリリース
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