会社のウェブサイトのリンク集にある光学関係の学術雑誌の情報に、2008年のImpact Factor(インパクトファクター)を追加しました。

さて、いきなりImpact Factorなる用語が出てきましたが、今日はインパクトファクターについて紹介します。研究者でない人にとっては全く関係ないので、見ても時間の無駄になる可能性大ですのでよろしく!

Impact Factorとは?

Impact Factorは自然科学・社会科学分野の学術雑誌(全ての学術雑誌ではない)を対象として、その雑誌の影響度を測る統計指標で、その雑誌に収録されている論文が、平均でどの程度引用されるかを表しています。同分野の他の雑誌との相対的評価に用いられ、雑誌の影響度を表します。被引用数が高ければその雑誌は影響力が強いということになります。

これまでImpact Factorは特定の1年間において、過去2年分の論文数を元に、ある雑誌に掲載された論文が平均的にどれくらい引用されたかを示していました。例として2008年のImpact Factorの計算方法を英語で書くとこのようになります。
Calculation for journal Impact Factor.
A= total cites in 2008
B= 2008 cites to articles published in 2006-2007 (this is a subset of A)
C= number of articles published in 2006-2007
D= B/C = 2008 Impact Factor

Impact Factorはよく批判の対象にもされますが(Wikipedia参照)、これはImpact Factorを単純な絶対評価としての評価や比較として用いるからである場合が多い。正しいImpact Factorの活用の方法は、同分野、同タイプなどの条件を立てた上で相対的な比較をすることだそうです(インパクトファクター 本来どう見るべき数字で、どう使うと有効か? 2005)。

Impact Factorは業績評価につかえるか?

大学や研究所の業績評価にImpact Factorが使われることがあります。しかしImpact Factorはあくまでジャーナル(学術雑誌)単位のデータであり、個々の論文のデータではないので、この評価方法にも批判があります。

Impact Factorの生みの親であるガーフィールドも「Impact Factorで一つの論文を判断することは望ましくない」とはっきりと述べています(Garfield, E. Journal impact factor : A brief review. Can Med Assoc J.161, 1999, 979-980.)。

個人的には投稿した学術雑誌のImpact Factorを気にするより、自分の論文の被引用数の方が重要だと思います。個々の論文の引用数はScience Citation Indexとしてまとめられるデータベースで照会できます。

2008年のImpact Factorに追加された指標

Eigenfactor
Impact Factorは、限られた学術雑誌の論文とレビューの影響度を計算しているのに対し、Eigenfactorは科学コミュニティー全体での影響度を計算しています。Eigenfactorの影響度の計算はInpactfactorより複雑になっており、Eigenfactorの影響度の計算では、ScienceやNature、CELLなどの総被引用数の多い学術雑誌から一回引用される事は、一般の雑誌から複数回引用されるよりも高く評価されます。

5-year Impact factor

従来のImpact factorは2年間の被引用数で計算されていましたが、どの研究分野でも、論文掲載から2,3年後に一番引用されるというデータを受け、今年から5年間の被引用数で計算される5-Year Impact Factorという指標が追加されました。

オマケ Impact Factorの傾向

一般的にライフサイエンス系の雑誌は、出版後すぐに引用され、引用されなくなるのも他の分野より早い傾向が見られます。それに対し、数学や経済学系の雑誌は出版されても引用されるまでに時間がかり、また一度文献が出版されると、比較的長い時間引用され続けるという特徴があります。