携帯型プロジェクター
これまで携帯型の小型プロジェクターにはLEDが用いられていました。これまでに発表された製品は以下のようなものです。
MPro110 Mini Beamer(ドイツ3M)
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=1vTBzYwcGNk]
Samsung Show(ITmedia news)
[youtube:http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=CgnADSuF8MA]
Texas Instruments Pico Projector
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=l3CQG_pygBg&eurl=http%3A%2F%2Fjapanese.engadget.com%2F2007%2F09%2F23%2Fhands-on-with-texas-instruments-cellphone-projector%2F&feature=player_embedded]
また最近では8/4に
クールピクス S1000pj
[youtube:http://www.youtube.com/watch?v=9NO_3DeMVxw]
が世界初のプロジェクタ付きデジタルカメラとして発表されました。
まさに携帯型プロジェクタがアツい!
ですが、貪欲な人類はさらに高性能なプロジェクタを求めています。
しかしLEDには限界がある。。。そこでかねてから考案されているのがレーザープロジェクター。
レーザーのどこがすごいの?
レーザーはLEDに比べ多くの長所を持っています。そのうち、プロジェクターに関連するものでは以下のものがあります。
スペクトルの線幅が狭い(単色)→Adobe RGBをカバーできる
上の図で色のついているところが人間の目で認識することができる色域です。詳しい説明は省きますが、レーザーを使うと上図のsRGBという色域を再現することができます。現状のLEDを用いたプロジェクタでは、この色域がもっと狭くなっており、自然な色を再現することができません。
レーザーの方が明るい(高輝度)
プロジェクターの明るさを示す単位はルーメン(lm:ルクス×面積)ですが、携帯型プロジェクターではこのルーメンが非常に低いです。例えば非常に安価なBenQのMP512というプロジェクタ(光源は放電ランプ)のルーメンは2200ルーメンですが、クールピクス S1000pjは最大10ルーメンです。しかし、RGB(赤緑青)レーザーを光源に用いることで明るさは飛躍的に高くなるでしょう。実際に三洋のレーザープロジェクターでは7000ルーメンが実現されています(AV Watchより)。
レーザーを使ったプロジェクターってこんなにすごいんです!
しかしこのレーザープロジェクター、RGBのGがなかったため実用化することはできていませんでした。。。
しかしお喜びください!
実は先月の7/18にこの携帯型プロジェクタの技術を一新するテクノロジーが開発されました!
住友電工が純緑色半導体レーザーを開発
住友電工7/18プレスリリースより一部抜粋
レー ザ光源を用いたレーザTVや携帯型レーザプロジェクタなどのレーザディスプレイは、高輝度・高精細に加え、従来にない小型・軽量・低消費電力と いった特長があり、製品化を目指した開発が活発化しています。現在、光の三原色(赤・緑・青)光源としては、赤と青は半導体レーザで実現されていますが、 緑は赤外レーザ光を特殊な光学結晶で波長を変換することで得られており、緑色光を直接発振させる半導体レーザは実現できていませんでした。 緑色領域では青色発光ダイオードに使用されている窒化ガリウム系半導体が検討されますが、青色から緑色へ波長を長くすることで発光効率が大きく低下すると いう問題がありました 。
当社は、この問題を克服できる窒化ガリウム結晶を新たに開発し、これを用いて半導体レーザでは純緑色領域で世界初となる波長531nmでのレーザ発振(室温、パルス)に成功しました。
青色から緑色へ長波長化すると、発光層となる結晶に大きな内部電界が発生するとともに結晶品質が低下することで、発光効率が低下するという本質的な問題があり、各機関により、レーザを作製するための結晶面方位を変え、発光層に発生する内部電界の影響を弱めることで、発光効率向上を目指した開発が進めてられています。
これに対して当社では、内部電界を弱めるだけではなく、発光層品質を大きく向上できる結晶を開発し、緑色領域でも高効率で発光できる半導体レーザの開発に成功しました。
今回、当社が開発した緑色半導体レーザの特長は以下の通りです。
緑色領域で高品質な結晶
青色から緑色へ長波長化すると、発光層となる結晶に大きな内部電界が発生するとともに結晶品質が低下することで、発光効率が低下するという本質的な問題(*3)があり、各機関により、レーザを作製するための結晶面方位を変え、発光層に発生する内部電界の影響を弱めることで、発光効率向上を目指した開発が進めてられています。
これに対して当社では、内部電界を弱めるだけではなく、発光層品質を大きく向上できる結晶を開発し、緑色領域でも高効率で発光できる半導体レーザの開発に成功しました。
緑色領域で任意波長の選択が可能
従来の波長変換型レーザでは発振可能な波長が固定されることに対し、発光層を制御することで緑色全波長領域をほぼカバーできる開発に成功しました。これ により、緑色半導体レーザでは最適の波長を選択することができます。また電流を増加させても発振波長の変化はほとんど無いため、高電流下で高出力を狙う用 途に有効な技術であると考えています。さらに波長は環境温度による変動が少ない特長を有します。
残念!おしかった中村修二教授。。。
ノーベル賞発表の季節になると名前が出てくる中村教授。中村教授も純緑色半導体レーザーの研究をしていたのですが、住友電工に先を越されちゃいました。
以下2009年05月18日 / 日本経済新聞 朝刊より(ライティングフェア)
超小型プロジェクター 携帯に搭載可能に
緑色半導体レーザーの実現へ向け、世界的な開発競争が激しくなっている。赤色と青色の半導体レーザーと組み合わせれば、携帯電話に組み込める超小 型プロジェクターや自然に近い鮮やかな色の背面投射型テレビなどが可能になる。青色レーザーや発光ダイオード(LED)の実用化技術を先駆けて開発した中 村修二・米カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授に開発動向を聞いた。
――技術開発はどこまで進んでいるのか。
「光の三原色のうち赤と青の半導体レーザーはあるが、同じ技術では緑色のレーザー光を出せない。ソニーなどが赤外線を出す半導体レーザーの光を、特殊な結晶を使って緑色に変えている。しかし、結晶が高価でコストを下げるのは難しい」
「私たちは二〇〇七年に、波長が四〇〇ナノ(ナノは十億分の一)メートルほどの青紫色の光を室温で連続して出すことに成功した。共同研究相手の ロームは四八一ナノメートルと緑色の領域に入るところまで進歩させている。ドイツの照明機器メーカー、オスラムもかなり進んでいる。みな、五三二ナノメー トルの純粋な緑色を目指している」
――実現へのポイントは。
「青色LEDと同じ窒化ガリウムの結晶を使っている。六角柱の結晶の側面を薄く切り出した基板を利用している点が違う。従来は結晶の上部を切り出 して基板にしていた。結晶が成長しやすい半面、電荷(物体が帯びている電気量)分布の偏りが生じる。波長が長い緑の光に近づけるほど、発光効率が落ちて暗 くなってしまう。新しい基板ではこうした問題はない」
――どうして緑色レーザーが必要なのか。
「現在テレビに使われている蛍光体よりは狭いが、LEDが出す光には波長に幅がある。テレビの光源に使っても、自然の色とは少し違ってくる。レーザーは波長がひとつなので、より鮮明な色合いになる」
「レーザーはLEDよりも明るく、プロジェクターに応用すると光源をさらに小さくできる。手のひらに載る商品が売り出されたが、携帯電話やモバイル機器に組み込めるようになる」
――レーザーと発光原理が同じLEDへの波及効果はあるのか。
「LEDの発光効率も大幅に向上できる。照明に使う白色LEDは青色LEDに蛍光体を混ぜて塗って白に変換している。市販の照明用LEDは消費電力の三割程度の光しか出せておらず、研究室でも六割程度だ。私たちの技術を使えば、九割を超える水準に引き上げられるだろう」
――実用化へ課題は。
「半導体で緑色レーザー光を出すのは一―二年で実現できるだろう。ただ、量産にはカベがある。現在使っている基板の大きさは約一平方センチメート ル。量産するには直径五センチメートルは最低でも必要だ。基板を製造できるメーカーは三菱化学しかなく、同社も含めて材料メーカーの技術革新が欠かせな い」
(聞き手は編集委員 青木慎一)
まとめるのが面倒なので唐突ですが以上で終わり!それじゃ!